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金継ぎ 大切な器を長く愛でる

金継した器(赤)くらしの雑記

大事にしていた器、欠けちゃった~(( ノД`)

日常のショッキングな瞬間、誰もがタイムマシンで1分前に戻りたいと切実に思う瞬間ですね。

私も永年勤続の記念に夫と訪れた長崎で買った「南蛮人模様」の大のお気に入りの有田焼のコーヒーカップの片方を割ってしまい、ネットで探すも同じものはなく…。

ひとりで家でコーヒーを飲むときは、この片方のカップで飲んでます。

コーヒーカップ

眺めていても楽しい

 

 

 

 

 

そんな時、これから60代や70代でも継続できる趣味はないかと探していたら、わりと古いものを大事にする土地柄からか金継のワークショップがちらほら開催されていたので、そのうちの1つに申し込んでみました。その体験から金継にはまるまでのお話です。

金継ぎは、金を蒔くまでがとてつもなく長く忍耐のいる作業

こちら、先生にかなり作業を手伝ってほぼ先生が対応された一品になります。こちらのワークショップでは初心者コースとして欠けには麦漆ではなくてシリコンのような、すぐに固まるものをつけ、その上から漆→金を蒔きました。

それでもめちゃめちゃ時間かかりました。まず、欠けに盛ったそのセメントみたいなのがすぐに固まるのですが固くなりすぎて、カッターで境目がないように余分なところを削り、サンドペーパーの番手を替えながら表面を滑らかにしていきます。

何度先生にみてもらっても指で表面をさわって「もうちょっと!!段差があるから」。 もう、、指紋がなくなるかと思うくらいペーパーをかけます。こういうところのこだわり・丁寧さが美しい金継のコツなんですね。その時間の長さを想うと、うるしをつけて金粉を蒔く一瞬ときたら一瞬。ふわりと光る金粉に、今までの苦労が報われます。

これに味を占めて、本格的に自宅で漆を使ってあれこれしてみようと思い立ちます。

金継セットを買う。 漆の扱いに慣れよう

こちら、「金継コフレ」をネットで入手。京都の堤淺吉漆店のものです。

 

いきなりは怖いので「ふきうるしセット」なるものでコフレの前に「拭きうるしセット」なるものを買って、ついていたお箸ではなく、吉野杉のお弁当箱に漆を施しまず扱いに慣れる練習から。

はい、こちら 2018年に奈良 興福寺の中金堂 落慶記念のお弁当に使われていた、吉野杉のお弁当箱です。記念にとっていてお弁当箱として活用していたのですが水が沁みてきたので、「ふきうるし」にて撥水+耐久性をあげることができればと企みます。

 

漆を塗って乾かすこと × 5回。 いい艶になってきました。 一度塗ると1週間乾かすので5回だと5週間。待っている時間もいとおしく、晴れてMY漆お弁当箱ライフの始まりです。漆は英語で japan と書きますね。 ざ・日本の文化に触れております私。

 

案の定 かぶれる

漆はかぶれると申しますが、終わってからすぐにはかゆみはでません。全然大丈夫、私耐性あったのねと奢っていた次の日、あれ?という感じでじわじわとかゆみが襲ってきます。発疹や赤くただれたみたいになりますが、べったりつかなければそこまでひどくはなりませんし、1週間程度で治まって跡も残らなかったです。しかしかゆいものはかゆい。こうやって書いているだけでもかゆみを思い出す…。漆が直接肌につかないように、手袋+長袖など工夫が必要で、もし付着してしまっても、水ではなくサラダ油などで落とします。水やせっけんで洗うとかゆみの範囲が広がってしまうので要注意。 昔の人は漆を発見しただけでもすごいのにこんな対処法とかよくみつけられたなとこれまでの長い歴史に敬意を、 japanに感服です。

大切な器の出番が増えました

これで漆の扱いも少し慣れて、本格的に漆を使って欠けを修理していきます。塗って乾かすの繰り返し。 漆を薄めたり落としたりする「テレピン油」(セットに入っています)のにおいがきついので、主に自宅で一人でいる日にひっそり作業をします。

①欠けを埋める場所に漆を塗る→②欠けを埋める(麦漆)→③乾いたら削る・ペーパーをかける→④絵漆を塗って金粉を蒔く

この時間、至福です。まだ割れたものをくっつけたことはないのですが少しずつ慣れつつ、これならいつでも治せるぜ、と しまいこんでいる食器も出して使えます。お気に入りの器を出して、食事の時間をより楽しみたいと思います。半袖では皮膚がでてしまうので、長袖で作業できる春先か秋口、半袖でも長めのゴム手袋での作業がおすすめです。

↓練習あるのみ

 

 

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