いざ、幽玄の世界へ。新春能。
大阪・大槻能楽堂へ
毎年1月3日と4日に催される大槻能楽堂の新春能。昨年は2日とも訪れたのですが、今年は初日のみチケットがとれて、それはそれは楽しみにしてました。いざ。
開場13:30,開演14時。途中2回休憩(1回目の休憩時に鏡割り)、終演17時20分頃。お着物の方もちらほら、開演までの時間も眼福です。
「翁」から始まる厳かな世界
翁は何度かいろんな演目で拝見したことがありますが、狂言も能も今回お初の演目で簡単なストーリーの予習をしてあとは「感じる」だけなのだ。
1月3日の演目
・「翁」観世淳夫 茂山逸平
・狂言「松楪」茂山千五郎
・能「春日龍神 龍女之舞」浅井文義
「翁」はもう4度目くらいでしょうか、演じる方や演目、謡や囃子方の力強さに毎回圧倒されます。白色尉(はくしきじょう)の朗々たるや。そして茂山逸平さんの三番三の力強さ。黒色尉(こくしきじょう)をつけた舞が始まる直前まで鈴の音がちりっともしなかったところに神々しさを感じるなど。天下泰平・国土安穏・五穀豊穣の祈り。
狂言は松と楪(ゆずりは)を年貢としてそれぞれ持ち上洛する二人のお百姓のお話。茂山千五郎さんはいわずもがな、茂山千之丞さんをじっくり拝見したのは初めてかもしれない、懐の深みを感じる、笑いの空間とおめでたい優雅な舞に福をたっぷり頂きました。
能「春日龍神」は、春日大社から暇乞いをして天竺に行くと申し出た明恵上人を春日の神々がお釈迦様の誕生から入滅までを春日の山々で表現し、これ以上のことはないと唐に渡るのを引き止める話。すっと現れる龍女の精錬なこと、龍神の厳かなこと、眷属の力強いこと。前半いい感じにα波が出てしまいましたが(笑)、春日のお山には龍の神様がいらっしゃるのだなとしみじみ思いを馳せるなど。
春日龍神のあらすじはこちら(能ドットコムにリンクしてます)→ ☆
何もない「無」からいろんなものが生み出され、また「無」静寂へとかえっていく能舞台。大変厳かな世界に、また今年も拝見する機会をいくつも持ちたい。ありがたや。
おまけ・鏡割りとアンケート
昨年は地震関係、その前はコロナ関係でなかなかなかった鏡割り。今年はありました。私はお初体験です。振る舞い酒と甘酒もあり、紙コップに並べられて自由にいただけます。隣の席の人は休憩時間ぎりぎりまで返ってこなかった(笑)。私は2回目の休憩の時に甘酒をいただきました。すぐ横でマダムが「おいし~い♪」と思わず感嘆。その通り、ほんのり甘くて美味しゅうございました。
入場時に配られるチラシとアンケートは目を通した後がっつり書き込みます。最近特にこういったものには積極的に参加することにしています。この日のアンケートにはお住まい(大阪府内か府外でも近畿かそれ以外か)、年齢、一年に能を観る回数、能の良さ、解説グッズについて、パンフレットは買ったか、なぜ買わなかったかなどなど(次回必ず買いますw)
アンケートに答えると、ポストカードがいただけるということで、こちらゲットです。美しい。うれしさのあまりスマホの待ち受けに設定した、人間国宝 大槻文藏さんの「羽衣」のポストカードです。
初めての能から3年足らずの超絶にわか鑑賞者の私ですが、どなたのどの演目をどこで拝見したか、チラシやパンフレットは少し残しておこうかと思った次第。貴重だったんだな~とあとから気づく。
年末から珍しく体調を崩してしまい、左目が腫れあがって着物での鑑賞をあきらめた私ですが、次回必ずいくぞ、着物で!
決意もあらたに、謡や囃子や舞がひたすらここちよく静かに心に響いてくる能狂言。今年も鑑賞始まりました~。
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