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「こちらあみ子」読了、映画はみたいけれど

こちらあみ子 舞台・芸術鑑賞

尾野真千子さんと井浦新さんが出演されている映画「こちらあみ子」が公開されるということで、原作を読んでしまった。

今村夏子氏 著「こちらあみ子」

図書館で待つことなくすんなり借りることができました。

本の背表紙の紹介

あみ子は、少し風変わりな女の子。優しい父、一緒に登下校をしてくれる兄、書道教室の先生でお腹に赤ちゃんがいる母、憧れの同級生のり君。純粋なあみ子の行動が、周囲の人をいやおうなしに替えていく過程を少女の無垢な視線で鮮やかに描き、独自の世界を示した、第26回太宰治賞、第24回三島由紀夫賞受賞の異才のデビュー作。

少しどころではないその風変わりな思考とあまりにもピュアな自分発信の言。

ほんわかした作品だと思った読む前の私に説教したい(悔)。

母親の変化。尾野真千子さんがこの母親をどう演じるかをみてみたい気持ちと、父親の井浦さんの受ける演技をみてみたい。表現者が演じることで私がもつ少しの違和感・嫌悪感がまぎれるかも。という期待と「役者みょうりに尽きる」熟練の演者の皆さんがどこまでえげつない表現をするかと思うと腰が引けてしまう。もう一回この物語に対面する勇気が今はでないというのが率直な読後感。

登場人物それぞれの立場に視点を変えて物語を味わうこともできて、それぞれ苦しい。

あみ子の立場で、片思いするのり君の立場で、両親の立場で、クラスメートの立場で、兄の立場で。

この物語をそれぞれの方向からみてみると、ピュアだけに苦しい。

文庫本の巻末には町田康さんの解説があり、さすがの文章。引き込まれる。ここが楽しく読めたのが救い(笑)。ひさしぶりに、次は町田康さんの未読の著作にしばし沼ろう。

「原作を読んでしまった」シリーズ

さて、あみ子はどっちになるのか…。

映画をみようと思い立ち、原作を読んだが為に映画館にいけなかった作品

  • 死刑に至る病(阿部サダヲさん主演)想像するだに怖すぎて。
  • 彼女がその名を知らない鳥たち(阿部サダヲさん主演)原作・沼田まほかるさんにはまり、原作が良すぎて満足してしまい、その後まほかる沼へ。
  • 永い言い訳(本木雅弘さん主演)。こちらも原作であり監督でもあった西川美和さんの小説で満足してしまった。。 西川氏原作の映画「ゆれる」「夢売るふたり」はよかった。原作は未読。

原作と映画・舞台を両方楽しめた作品

  • 殿、利息でござる(阿部サダヲさん主演) 原作は「無私の日本人」。美しい話。心の清い人しかでてこない話。
  • 岸辺露伴は動かない(高橋一生さん主演)漫画もアニメも実写もよい!というとても珍しい作品。「のだめカンタービレ」も。
  • チャーリーとチョコレート工場(ジョニーデップ主演)。監督・ティムバートンの作品は全網羅の私。楽しくてちょっと寂しくて美しい話。ウンパルンパの音楽再現は素晴らしい!
  • 100万回生きた猫(森山未來さんと満島ひかりさん主演の舞台)。これは絵本をみているような素晴らしい演出。
  • 変身(森山未來さん主演の舞台)。初めて森山未來さんの舞台をTVで拝見した作品。カフカが好きでチェコ・プラハの生家を訪ねたほど。特に変身には思い入れがあって、その表現・舞台は素晴らしかった。体の使い方が、”人間じゃないもの”だった。

舞台でも映画でも、監督や脚本・演者を楽しみにして、ストーリーをあらかじめ頭に入れずに楽しむ派なのですが、うっかり「原作読んどこ」と思ってしまうと、この2つに分かれてしまう。

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