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【能・狂言】平家と源氏もの

舞台・芸術鑑賞

みんな大好き、平家物語と吾妻鏡。

大槻能楽堂・創立九十年記念公演

1月に2公演、2月、3月に1公演ずつある大阪 大槻能楽堂の記念公演。

2月12日の番組は

  • 能・景清松門之出:はい、平景清。流刑された果てのお話。義経め~。(※私の推し源氏は義経です)
  • 狂言・二人袴:婿入り先の舅に初めてのごあいさつ、一腰の長袴を…笑えるお話。
  • 能・木曽願書:はい、みんな大好き?木曽義仲。俱利伽羅峠 出撃の前日のお話。

能は2つとも源平もの。

平家物語は川本喜八郎氏の人形劇とアニメで履修済み。源氏側の視点は吾妻鏡から?一昨年前の大河「鎌倉殿の十三人」で履修済み。祇園精舎の鐘の声…風の前の塵に同じ。ただただ無常なり。

能の素晴らしいところ・二重のタイムスリップ

まだまだ「にわか」の能鑑賞者の私、内容を深く知るというよりは感じる部分も多い。でもそれでいい。

楽しむひとつに「音曲と共にタイムスリップするような感覚」があります。

今回だと、

平家のその後の話(景清)や木曽義仲のこれからのわくわくする話(木曽)、これらは平安末期の800年ほど前のお話。後に能として作られた、実在した人物に着想を得たその後やその日のお話。

そしてその能を戦国時代に観た人々がいる。たとえば秀吉。自身で能舞台にあがるほどのめり込んでいたという400年ほど前の実在した人物。能や狂言はほとんど伝わるままに演じられてきたので、戦国武将のお歴々も目にした光景・お話だと思うと、そしてその方々も平安・鎌倉時代に想いを馳せて、深く思うところがあったかとおもうと

二重のタイムスリップを体験できるのが魅力で妄想が止まらない。

能舞台の上が異空間のように見えていつしか自分も能鑑賞をする戦国武将(のおつきのもの?)に意識がとんでいきます。

能の歴史、室町~安土桃山・江戸時代・明治・大正・昭和・平成・令和とつながる伝統の重みとすごみ。

寝る人もいるここちよさ

ここちよい音曲と謡(うたい)に、こっくりこっくり舟をこぎ出す人もいれば、寝息?が聴こえてくることもある。よいのです。ここちよきかな。70~80代とおぼしきシニア世代が観客に多い、能。お若い方もちらほら。

後ろの席の80代とおぼしき老紳士が「ここにこうやってこれる人は、健康ということ。結構なことです」と。確かに。トイレも座席も階段なので足腰大事。1つの番組で80分くらいあり、長時間座ってられて、また歩けるというのは幸せなことです。

今回はどれも初めて観た番組だったので、ストーリーの予習はある程度していたものの、

景清の、儚い感じと戦の様子を謡う時のりりしい、くやしい、最後はあきらめでもないなにか気持ちがおちついたさま。

木曽の、義仲じゃなくて書記の覚明がシテ(主役)として祈願文を読み上げて舞う姿。

途中何度もあの世能の表現する時代にひきこまれた3時間半でした。

和の世界・平安の煌びやかさ

ところで、

舞台上の義仲の軍勢の居並ぶ姿、金糸の入ったお召し物のきらびやかさ。観る美術館、能。この感じを最近どこかで見たなと思ったら

先日だしてきた雛飾りだった…!和はいいな~。屏風は金沢の金箔で、夜にはぼんぼりの灯りをぼうっと照らすのもいい。

煌びやかなお衣装も、能の楽しみ(眼福)のひとつ。

今年(2024年)の大河「光る君へ」は平安時代が舞台。

檜扇をもっておほほほほと笑う、表と裏を使い分けてしたたかに生きる平安貴族の世界。源氏物語で知られる紫式部が主人公。

お雛様を愛でつつ、平安時代の大河がみれるのもうれしい

次回あたりの能は着物でいこうかな。

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