惹きこまれる絵と不思議なお話。エドワード・ゴーリーを巡る旅にいってきました
エドワード・ゴーリー
京都か奈良か、はたまた大阪か、日帰りでうろちょろする秋の美術館・博物館はみたいものがたくさんあって迷います。
朝また一段と冷えたこの日、奈良県立美術館にいってきました。
一度観たら忘れられないインパクト。いつかどこかで観たような気がする。繊細なモノクロの絵に悲しい・怖いストーリーと美しさ。アメリカの絵本作家、エドワード・ゴーリー氏の作品を目にするチャンスにいかない手はありません。
「エドワード・ゴーリーを巡る旅」は奈良県立美術館で11月10日まで。詳細は上記HPご参照を。正倉院展の半券をもっていると一般入場料が1200円から1000円になります。
不思議な世界観と、モノトーンの緻密な線描で世界中に熱狂的なファンをもつ絵本作家エドワード・ゴーリー(Edward Gorey, 1925-2000)。
近年、日本でも『うろんな客』『不幸な子供』などの絵本が次々と紹介されてきました。ゴーリーは、自身がテキストとイラストの両方を手がけた主著(Primary Books)以外にも、挿絵、舞台と衣装のデザイン、演劇やバレエのポスターなどに多彩な才能を発揮しました。
本展は、そんな作家の終の棲家に作られた記念館・ゴーリーハウスで開催されてきた企画展から、「子供」「不思議な生き物」「舞台芸術」などのテーマを軸に約250点の作品・資料で再構成するものです。
米国東海岸の半島に残る古い邸宅へと旅をするように、達観したクールな死生観を持つ謎めいた作品との邂逅をお楽しみください。
本展は、昨年度から渋谷区立松涛美術館を皮切りに始まった日本全国巡回展であり、関西初開催になります。また、当館オリジナルで、関連展示「エドワード・ゴーリーと日本文化-20世紀アメリカの眼-」を同時開催いたします。 ※上記・県立美術館HPより
こじんまりした美術館ながら、全5章からなる展示のくみたて。
- 第1章 ゴーリーと子供
- 第2章 ゴーリーが描く不思議な生き物
- 第3章 ゴーリーと舞台芸術
- 第4章 ゴーリーの本作り
- 第5章 ケープコッドのコミュニティと象
そして最後に日本文化との接点ということで、歌川広重や源氏物語の屏風絵の展示と作風の比較考察、鳥獣戯画との関連考察などといったオリジナル展示もあってとても見ごたえがありました。
入り口にはいってすぐ、「不幸な子供」の大きいパネルが。ここだけ撮影可でした。
最初の展示が「不幸な子供」で、これは悪趣味版・小公女ともいうべきか。カットのほとんどになにか怪物が描かれていて暗示的です。。
作品はほとんど小さなものが多く、近くで見られるものもありますが、ガラスケース越しに少し遠くみるものもあり、単眼鏡が必携です。
その他「うろんな客」「音叉」「ジャンブリーズ」「ギャシュリークラムのちびっこたち」「狂瀾怒濤:あるいは、ブラックドール騒動」「蒼い時」「恐るべき赤ん坊」…あと失念。それぞれ一部の作品が展示され。こわいよ、、
展示の最初にタイトルとストーリーの概要が書かれたパネルがあるのですが、それを見てから作品をみるのもよし、作品をみてからストーリーをみるのもよし。ほとんどのストーリーに救いがありません。こわいよ、、
そして「ミステリーズ」の短い動画。舞台「ドラキュラ」の舞台絵、ニューヨークシティバレーの情景、最後に移り住んだケープコッドの「エレファントハウス」の映像、などなど充実。
白と黒でおりなす繊細で緻密な線で描かれる作品は、月影が明るく、水底が暗く、物語に吸い込まれてゆく感覚がこわいような、ずっとみていたいような。
エレファントハウス近くの海岸で施設を管理される方のインタビュー映像があって、そこでゴーリー自身は生まれ変わったら「石」になりたいといっていたそうですが、死生観、永遠にそこにいられるような?静かに水底にいたいような?
ミュージアムショップも充実
あんまり期待していなかったのですが(ごめんなさい)、
ミュージアムショップが意外と充実していました。マスキングテープあり、マグネットも種類多く、Tシャツもフードありのものと普通のと、デザインも色も数種類。いくつかの作品のアクスタもありました。キャラクターがかわいらしいシールブックもあったなあ。。
そしてゴーリーの絵本もいろいろ。個人的にストーリーが気になって読みたくなった「音叉」と「ジャンブリーズ」を買いました。1冊1300円くらいだったかな。英文+和文+絵。とてもよき。
ポストカードも複数(裏がキレイな紫でまたよき)、ミニサイズのクリアフォルダー2つ。
写真の下にあるクリアフォルダーは「ある日アクマに飛び蹴りをくらったお嬢さんが…」って
どんなストーリーよ?気になりつつ絵がとてもよき。
Tシャツはデザインも色もいろいろ。
これも3色あるうち白を選び。こんなかわいいボールペン、買っちゃうよね。。
「音叉」で水底へ。「ジャンブリーズ」で海に漕ぎ出す旅へ。展示がおわっても作品とグッズに囲まれて。
ああ、今日も楽しかった!
↓ まだまだイベントたくさん、実りの秋なり。
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