親のこと、空き家の処分までの話、兄弟間の関係性。ひとつのリアルなお話として
図書館で2か月待った本「親の家が空き家になりました」
葉山由季さん著のこの本は2024年9月20日発行。何かでみてすぐに図書館に予約に訪れ「新刊購入」の手続きへ。新刊でも希望すれば購入してくださる市の図書館がありがたい。
すぐ借りれるとおもいきや、「5番目ですね」
え、もう買ってたの? 昨日まで図書館のサイト上に「なし」だったのに?
そして 5番目ってなに、、新刊争奪戦に破れ、おそらくこの手の本を手にする同世代(50代以降?)の市民の同志?の素早さにおののく。
2か月たってやっと順がやってきた。
お話の主人公は、兵庫県の3LDKのマンションに住む50代のパート主婦、瞳さん。子供が巣立った部屋にお母さんと同居するところから始まり、実家のご近所との関係、兄夫婦、姉夫婦との関係、空き家となった実家の壮大な片付けと処分できるまで。
ひとつの参考として、目を通しておきたいな…くらいの気持ちで読み始めて345ページを3時間で、前半から泣きながら読み終わりました(;。;)。そこここで聞こえる母の聞きなれた声、アドバイス。わかる(泣)。
相続や不動産の処分そのものの手続きなどで新たに参考になるところはそんなになかったけれど、ひとつの事例、物語として楽しめました。夫婦間や50を超えた兄弟間、親戚(義理の関係)などリアルな会話がそこここにあって心にとめておきたいものがいくつか。
参考になったところ:言葉は刃物
3人兄弟の末っ子の瞳さんが母亡きあとの手続きやら家の片付けやらを一手にこなしていく感じのところ、なかなか気持ちを言い出せないところなどがリアルです。物語終盤では和気あいあいになるとはいえ、
わりとはじめのほうで母の遺言書の内容で空気がピリつくところなどはまるでその場にいるように心がちくっとしてきます。そんなつもりはないはずなのに、ちょっとひっかかる、ずれていく感じ。
刃物のような言葉を投げかけられた、という感覚がずっと瞳さんに刺さってる。ああ、妹とか末っ子とかはこういう感覚なのかと私(長子です)自身を省みる。
それでも、母に、夫に、面と向かって「美味しい」「ありがとう」をちゃんと言ったか?と反省する主人公。刺さるな、、私も言ってこ。
「(けんかしてても、不機嫌なことがあっても)いってらっしゃいは笑顔で」という母の教え。 これは私も母に言われてやってる。
参考になったところ:いつまでも兄弟が元気とは限らない
主人公・末っ子の瞳さんがひとりで途方もない実家の片付けや不動産売却に奔走するところは
最近お母様を亡くされて同じような片付けに追われている友人が浮かぶ。心の底から「たいっへんなのよ。。(疲)」って言ってたな。
物語では、
休日はご主人にも手伝ってもらいながら、草を刈る、雨戸をあけて風を通す、衣服類や本類を縛ってごみにだす(持ち帰る)、どこまでやっても片付かない感。。そしてご近所の方々のありがたみ。
裏の家が火事になり(!)空き家となった実家の保険を確認したら、空き家になった時点で無効。入りなおすのにまた兄弟間で是々非々で少しもめかけたり。遠方に住む兄と連絡が取れないと思ったら入院してたり、比較的近所に住む姉も大きな不動産相続の問題をかかえてたりして
50代の兄弟がみんな相続手続きと片付けを第一優先にしてクイックに動けるとはかぎらない、と妙にリアルで納得させられます。
参考になったところ:人をみる
不動産の売却で、家の解体で、業者さんに見積もりをもらったりする時のくだりがよかった。
昔ながらの大手もいいかもしれないけれど、デジタル社会で情報の仕入れ方も出し方(チラシじゃなくてサイトで、など)今風の対応ができているか、そのお仕事にプライドを持って、好きでお客様の為にというマインドがあるか?相手の方と会話しながらさぐっていく感じ、自然にききだされているところが会話下手な私にはとても参考になりました。
2社の家の売却価格の見積もりが倍ほども違っていて、高く見積もりを出した方に、低かった方の「理由」を質問して、納得した答えをもらえた方にする。あとやりとりの時の誠意みたいなもの。ご近所の人にきく実際に不動産管理でぼったくられた話。友人がたまたま「空き家ウォッチャー」でいろんな事情と空き家活用の活動とつながりをもてて情報をたくさん仕入れられたことなど、物語らしいご縁がついたりはしていたけれど
会話して人を見る力は大事、これはいつの時代も一緒だな。見抜く力は私より夫にあるので、いざというとき頼ろうとおもった次第。
自分のケースに備えておく
私の実家は数年前に売却済みで、この本と似たような感じで妹と母が片付けと手続きに奔走して、マンションに引っ越し、うまくダウンサイジングできた、のかな。実家は割とすぐに売れたし、母が実家の階段を踏み外す心配がなくなった安心感。
一方、義実家は心配が続く。将来空き家になる可能性もあって、その時私は部外者だけれど
実家・親戚・友人の事例などに加えて今回の本もひとつの参考事例として「知っておく」ことも肝要かと。知識はチカラ。なにかのお役に立てることもあるかもしれません。出しゃばらず、控えておく。
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