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「死刑に至る病」を読んでしまった

舞台・芸術鑑賞
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阿部サダヲさんが主演と知っていても映画を観にいくのは腰がひける。心理的にくるもの、描写的にくるものはとても苦手な私は原作を読むことに、いや読んでしまったのでした。

読みながらもちらつく阿部サダヲさんの声と表情

櫛木理宇さん著。映画のキャストは阿部サダヲさん以外は知らない状態で読み進みました。3~4時間ほどでのめりこんで読了。主人公が話している文は阿部さんの声で再生されてしまうので恐ろしかったですが(映画は観てないのに)、これは原作だけでお腹いっぱい。はい、満足です。そしてやっぱりぞっとした。映像ではやはり無理そうです。

同様に映画以前に原作だけで満足した作品に「彼女がその名を知らない鳥たち(沼田まほかるさん著)」があります。こちらは心理的にしんどい阿部サダヲさんの役どころ。ブルーリボン賞主演男優賞だったというその演技を観たかった気持もありますが

出演されている俳優陣の素晴らしい演技を観たい気持ち  画像と音が恐ろしい。

「~に至る病」の感想は、

にこやかに接してくる人が一番怖い、そして親切ではなくて「もてあそんでいる」ことに笑顔でいることがとても怖い。心を縛るやり方。こんなの、ターゲットにされたらもう避けられない。手のひらからは逃れられない。苦しい後味。

凄惨な作品でも舞台なら

うっかり見に行った演劇のストーリーがとんでもなく凄惨だった、ということは多々あります。大人計画やNODA MAPなどなど。

何の予備知識もなく見る舞台、空間の中の演出で客それぞれが「妄想」しながらシーンを補完して取り込んでいきます。

一番最近みた「THE BEE」でも阿部サダヲさんが長澤まさみさんの指の骨を折っていく描写があります。その演出にぞっとしながら指を折られている痛みを取り込んでしまいます。ズームもされないので自分の想像力も足して補完していくところがよいのです。

でも、映画は(この作品はどうかは知らないですが)リアルに見せてくる場合があり、映像作品とわかっていてもそのリアルさがもう……。逃げ惑い悲鳴をあげたり絶望する被害者とかズームされるスプラッターな箇所とかもう…。テレビなら消すこともできますが、映画館では出ていくことも憚られ、大画面では特にもう無理、そこは妄想で補完したい。

映画を見に行ったという娘(20代)の感想は「阿部サダヲがとても良かった。マルモの時と全然違った」って。当たり前やん!!こっち(サイコ系)が十八番やん!!そういえばテレビでは大河しかり、会話劇の「スイッチ」や不倫物のドラマ(タイトル忘れた、見てない)など、「ちょっと癖のあるにぎやかでおちゃめな人」でお茶の間に定着してるんかな。演技は狂気をはらんでいて普段はとても物静かなイメージの阿部サダヲさん。今回の映画の役どころとリンクしすぎです。

7月の舞台はいきます。東京は5月27日から始まってますね。楽しみ。


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