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【ドラマ】憶えのない殺人 / 安定のオノマチ&小林薫を堪能

くらしの雑記

89分のドラマ、堪能しましたよのさ。以下、ネタバレはなしで。

NHK-BS 憶えのない殺人

年明けから楽しみにしていたドラマ、録画してじっくり観ることができました。小林薫さん大好き夫とオノマチ大好き&「カーネーション」が朝ドラで最推しの私。観るで~。

認知症を患う元警官の男が、殺人事件を追う刑事にマークされる。 それはまったく身に憶えのない事件だが、元警官の彼には強い犯行動機があった…。 自分が犯人かと恐れながらも、真相を探ろうとする男・佐治英雄――小林薫 事件の真犯人を必死に追いかける刑事・北嶺亜弓――尾野真千子 生きるとは、老いるとは―― 私たちの心に響く切実なテーマを、事件とからめたサスペンスフルな展開で描く! 異色のヒューマン・ミステリー 「憶えのない殺人」 彼らはいつしか不可思議な心の迷宮に踏み込んでいく。  ~上記公式「概要」より抜粋~

頭から最後まで餡子がいっぱいにつまったたい焼きのように、どこを見ても小林薫さんの素晴らしい演技がつまってる。おいしく堪能いたしましたとも。目の光のあるなし、背中だけで語るしょんぼり具合、急に怒り出す認知症あるある…。見ている方の記憶も一緒にあいまいになっていく感じは、映画「FATHER」にもあったあの感じ、時空浮遊感。。根底にある使命感と慈愛。すばらしー。

オノマチ(尾野真千子さん)のナチュラル&さりげない演技もお久しぶりにじっくり拝見してお二人とももうそこに実在する人にしか見えないのはさすがすぎました。感情が高ぶったり慈愛に満ちたり。。あんなにも自在に。

お二人の信頼感あふれる対峙シーンもすばらしく、じっくりじわじわ味わえて、キャストの方お一人お一人と製作陣の素晴らしいお仕事、受け取りましたとも。人柄や背景が細かくて丁寧で優しい、優しさにもろいアラカンにささる。

はっとしたセリフ、尊厳はある

中でも、医師役の橋本じゅんさんの丁寧な診察のシーンに見入りました。そしてとあるセリフにはっと。

何も覚えていないわけではない、尊厳はあるんです。(徘徊の)理由もちゃんとある、というような。

晩年認知症を発症した伯父を思い出しました。お話をしているうちにその時代に心も頭も飛んで行ってしまって、私が誰なのかはもうわからなかったみたいだけれど、整理して捨てていくはずの手帳の山からひとつを開いて、書いてあることを読みながらその当時の話を嬉々としてしてくれて。同僚やお客さんが何に困っていてどんな手をうったのか、喜んでもらえたことなど。手帳を捨ててしまったらその時の記憶も一緒になくなってしまったようで、次に会った時には眼の光が一層暗くなっていたような。そして手帳のことやそんな出来事を話したことも覚えていない。しょうがないことだけれど、訪れる度に口数が少なくなってしまう伯父の小さな声や記憶を大切に、耳を傾けていたような。伯母の話をする時はやっぱり「微笑む」伯母大好きの伯父なのでした。

アラカンの私たちの親(いずれも母のみ・80代)の捨て活は一旦終了しています。私たちからみたらものは溢れているけれど、それぞれ未亡人でこれからまだ少し楽しく生きていく母と義母の尊厳を尊重する「もの」や「記憶」と少しでも長く寄り添えるように。

↓ 親世代の断捨離

↓ やさしい話がいいです

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