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令和版「犬神家の一族」新解釈・しっとり感がよきよき!

舞台・芸術鑑賞

90分×2夜放映という贅沢。素晴らしい原作と脚本と演出。一癖も二癖もある演者、ロケ地…よきかな。

横溝正史シリーズ

NHK-BSプレミアムで4/22.29二週連続で「犬神家の一族」が放映されてます。

★ 祝 再放送 ★

前編は5月21日(後4・00~5・29)、後編は5月28日(後4・00~5・29)。BSプレミアムでオンエア

横溝正史シリーズは当時小学生だった私の子供心に「おぞましい」という言葉を体感させたトラウマ級。(なぜ観た、、)

他に

「八つ墓村」「悪魔が来たりて笛を吹く」「獄門島」「病院坂の首縊りの家」などなど、映画化された作品のCMだけで夜トイレに行けないほど。特に八つ墓村…「たたりじゃ~」って怖すぎたよ。。

昨年の再放送で改めて観た「犬神家の一族」1976年版。昭和のしっとり感も相まって、よきよき。

実はこれ以外の犬神家をちゃんと観ていない、出演陣に食指が動かなかったり最初の数分で脱落したり…。最初に観た作品がいいなと思うと、あとのは比べてしまうのが世の常、、すいません。

  • 珠代さん役は島田陽子さんのしっとりおっとりした感じがよき。お美しい。
  • 金田一耕助役は石坂浩二さんがやっぱりいいなぁ。古谷一行さんもいい。

大御所の出演陣のお着物姿やふるまい、言葉遣いも板についている感じでよきよき。しっとり感はフィルムなのか腰の座った演技なのか、昭和の戦後という感じがしっくりくる。

今回の作品は告知はあれど観る気はしていなかったのですが、Twitterに流れてきたのが

脚本、あの小林靖子氏。「岸辺露伴は動かない(アニメ、実写)」や「進撃の巨人(アニメ)」の

演出、あの吉田照幸氏。「あまちゃん」「鎌倉殿の13人」「サラリーマンNEO」の

この2つで他は何も知らずに観るぞと決めて、初見の娘とリアルタイムにスタンバイ。もちろん録画もスタンバイ。

一夜目

冒頭シーンからすでに良作の香り。。さすが小林氏。

まだ(連続xxの)途中ですが菊人形のところのxxx演出で「うわっ」と声がでました。。さすが吉田氏。

良作は楽しい。ネタバレない範囲で今の感想は

  • 皆川猿時さん(弁護士)…まじめ役だから声低いから最初わからなかった。よき!
  • 大竹しのぶさん、南果歩さん、堀内敬子さん(松子、竹子、梅子役)…女傑3人衆って感じでそれぞれいい感じに”あたおか”なのもよい。お着物のがん見しておりまっす。一夜目で早くも竹子がはっきょう→魂が抜けた感じがとてもよかった。二夜目が楽しみ。
  • 金子大地さん(スケキヨ)…目ぢからの使い分け?がすごい。鎌倉殿でも純粋に・不敵に目がきらっきらしてましたね。今のところスケキヨは挙動だけで一言もしゃべってない。。
  • 古川琴音さん(珠代)…不思議な魅力の人。岸辺露伴にも、どうする家康にも出演されていて画面に登場した時のインパクト、もっていく感がすごい。今CharaさんともCM出られてますね。この珠代は好きです!
  • 吉岡秀隆さん(金田一役)…人のいい感じ、「どうもひっかかるんですぅ」昭和感+洞察力のするどさのMIX、さすがの役どころ。二夜目がとても楽しみ。
  • あと警察の面々、松竹梅の夫や息子・娘役それぞれ味あるわぁ。

前後編それぞれ90分って映画より長いやん。。うれしい。

一夜目はよき・こと・きくの「きく」のみ。続きは二夜目(来週4月29日)へ。

初見の娘がとてもはまっているのがまた楽しい。

二夜目

「よき(斧)・琴・菊」との関係を指摘するのが金田一さんじゃなくて竹子夫人(南果歩さん)というのが新しい。

そう、今作では金田一さんは派手な演出?に踊ることなく地道に直球に「事実」をつきつめていく。だがそれがいい。吉岡秀隆さんの苦悩っぷりが癖になりそうです。

何度も映像化されて誰もが犯人を知っている、いわば定番化した作品をどうして映像化されたのか?

表現(演出)や映像、演者の怪演(狂演)に酔いしれていた一夜目、油断をしておりました。

これの為の映像化かと二夜目最後の新たな解釈に唸りました。。ス、スケキヨ~!?

静馬をかわいそうと思う日がくるなんて。鎮魂。。

松子夫人(大竹しのぶさん)の静かなる怪・狂演。冒頭の列車の時からスケキヨのこと疑ってたんですね。。「何のために!」… 最後のキセルの自然な動きにも痺れました。。

事実(裏付け)のあるなしでこんなに解釈違う、変えられるなんて、最後のスケキヨと金田一さんの会話も今までで一番腹落ちしたかも。

ロケ地がまた素晴らしい

しっとり感と言えばロケ地のチョイスが秀逸。岸辺露伴の葉山加地邸も素晴らしかった。

今作では横溝氏と関係の深い岡山、倉敷市の旧野崎家住宅が協力にクレジットされてました。国指定重要文化財だそうで、庭園も素晴らしい。

趣のある社寺らしき通路は吉備津神社。 雨月物語 吉備津の釜でも有名ですね。

作品をみてロケ地に行ってみたいなと思うほどのはなかなか巡り合えないけれど、旧野崎住宅、倉敷を訪れる機会あればいってみたいのでGoogleMapにピンをたてておきました。

 

 

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